知るか。
そんなの見慣れてる。





そう言ったら、全力で怒鳴られた。

合宿2日目。
皆で銭湯に行っているときの話です。





『双子の妹ちゃんは、好きな人いる?』



女の子と言えば、恋の話。
野球大好きな千代ちゃんもやっぱり興味があるらしい。
特に前触れも無く、そんな話は始まった。


『好きな人?』



銭湯は貸し切りってくらいに誰もいなくて、私たちの声だけが響いた(男湯からの声は凄く聞こえるけど。特に悠一郎)

監督は身体を洗っていて、こっちの話に耳を傾ける気は無いらしい。
それにしても……胸、おっきい。
こうして改めて見ると、自分との違いを見せつけられた気分。いや、監督にそんな気なんて無いのは知ってるけど。
私の胸は、千代ちゃんより小さい……です。




『好き、かぁ……』



お湯を、一回掻き交ぜた。
好きな人、と聞いてすぐに一人の人が出てきた。


『あ、いるんだ』


『な、何で?』


『顔、赤いよ』




そう言われて、熱が顔に集中してることに気付く。


『のぼせたんじゃないかな?』


『まだ入ってからそんなに経ってないよ?』




千代ちゃんは強いです。
私は恥ずかしさで、顔を湯舟の中につけた。ぶくぶくと音がする。


『好きと言うか…憧れだと思う……』





そのあと、千代ちゃんだけじゃなく監督にまで根掘り葉掘り聞き出されそうになった。
誰かは言わなかったけど!!





……あ、千代ちゃんの話聞くの忘れた。









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