現在、枕投げの真っ最中。
投げて投げ返して、布団でガードして集中攻撃したりして…。

こんなことするのは、シニアでの合宿以来だった。
悠一郎も懐かしいのか、いつもよりテンションが上がってる気がする。正直迷惑だ。
どうせ相手をするのは俺だ。


「双子の兄ー!覚悟ぉー!!」
「返り討ちにしてくれる!」


…ま、たまには子供になるのも悪くない。
そんなことを考えながら俺は枕を両手に持って時間差で投げつける。



ボスッ



枕の当たる音。
投げたのは、俺。当たったのは、阿部。

「…双子の兄」
「んなとこで突っ立ってんのが悪いんだよ」
「……てめっ…!」



ボスッ



投げたのは、阿部。
当たったのは、俺。

そこから当たり前に、俺と阿部の一騎打ちが始まった。


「3回当たったら負けな」
「上等だ」



俺は目の前の勝負で精一杯。
双子の妹が珍しく参加してこなかったことも、泉がいつの間にかいなくなってたことも気が付かなかった。







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