合宿所に着いたらすぐに掃除をやらされ、掃除が終わったら次は山菜取り…かと思えば、俺達と阿部と三橋は監督に連れられてグランドにやってきた。

どうやら先に練習を始めるらしい、双子の妹と三橋に肩をあたためるよう指示し、俺と阿部は監督と話しをすることになった。

「二人とも、捕手はどれくらいやってる?」

「シニア、入る前からっスね」
阿部が答える。まあそりゃそうだよな。何かそんな感じする。
「双子の兄くんは?」
「中学、上がってからです」
「へぇ、てっきり俺と同じくらいかと」

荒・シーで有名になっていたからだろう、阿部は少し嫌みっぽく言った。
「俺は捕手としての能力は低いよ。双子の妹が凄いだけだ」
「そうなのか?」
「投球見れば分かるわよ。そろそろいーいー?」

キャッチボールをする手が止まっていたから監督は聞いたのだろう。でも双子の妹と三橋、何か話しているように見えたんだけど……。
監督にそんなこと言聞かないけどな?

「じゃあまずは双子の妹ちゃんから投球見せてもらおうかな。良い感じだったら打撃投手と……練習試合にも出そうと思ってるからね!」
「ほ、本当スか!?」
「うん!」
笑顔で答える監督に双子の妹は跳びはねるかのように喜んだ。高校でそこまでやらせてもらえるとは思ってなかったもんな。俺もそう思ってたよ。
「やったあ!頑張ります!ほら双子の兄、早く座って」
「へいへい…」


まあ俺も、双子の妹いなかったらただの打撃野郎になっちまうし…いいか。


「んで、今日の気分は?」

俺はミットを構える前に双子の妹に聞く。答えはひとつしか無いとは思うけど。
わざとらしく双子の妹は少し考えてから答えた。

「直球!」


それを聞いて俺がミットを構えると、マウンドの上で双子の妹は大きく振りかぶった。







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