「あ!」 「え、ちょっと…双子の兄!?」 部活勧誘の波を潜り抜けて、人気の無いところへ来れて安心したと思った矢先、双子の兄が何かに気づいたらしく、どこかへ向かって走り出した。 私は人ごみで疲れているのに…。 でもここで双子の兄を見失ったら、迷子になるのは確実に私なわけで…。 仕方なく追おうと思ったときには既に遅かった。 双子の兄の姿はどこにも無くて、周りには誰もいなかった。 「…双子の兄の馬鹿ぁ…」 迷子になってしまったかと不安になりながら、もう1回見回してみるとグランドが見えた。 どうやら目的地には着いていたようだ。 「……ここが、第2グランドか」 中には既に数人がいて、円を作っている。 私は中に入らず、双子の兄が来るのを待つことにした。 新設で、一年生だけ…あんまり人もいない。でも野球はできる人数だな、よし!…よし。 それにしても、畑が広がってるなぁ……。 |