いきなりGWと言われても、どこかへ出かけるわけでもない俺たちには関係なかった。
今までは野球で全部潰れていたけど、今年はゆっくり休めるかなー…とか淡い希望を抱いていたわけなのだが……


合宿である。




「やっべ昨日オナニーすんの忘れた!!」

悠一郎のヤツがとんでもないことを狭いバスの中で叫びやがった。
皆が抑えつけている間、俺は篠岡の方を見る。どうやら悠一郎が忘れ物したと勘違いしているようだ、よかった。
安心したことを口に出すと、双子の妹が何で?と聞いてきた。考えれば分かることだろうが、お前聞こえてたんだろ?
「女子にあんまり聞かせたくねーじゃん」

「女子って…私は?」
「お前女じゃないじゃん。もっと可愛くなってからから言え」
「……ロリコンに言われたくないんですけど」

なんてことを言い出すんだコイツは!
ち、違うからな!断じて俺はロリコンなんぞではない!
恐らくアレだ。
いくらか前に、年上と年下どっちが好き?って聞かれて年下って答えたからだ。
ふざけんな。アレだけでロリコン扱いされてたまるか。
「ああ?誰がロリコンだって?」
「あんたに決まってんだろ」

そして喧嘩に発展した。
とは言っても、俺達にとってこんなの喧嘩には入らない程度なんだけれども。言うならば論争。
俺は自分がロリコンじゃないことを主張し、双子の妹は俺がロリコンだと言い続けた。

そんなどうでもいい内容など、ネタがすぐに尽きるもので、論争は双子の妹が栄口に泣きついて終わり俺達は眠りについた。




「仲良いなー…」

眠っている二人を見て、栄口が呟いた。
皆はそれに頷く。

「田島同じシニアだったんだろ?双子の妹の球すげぇの?」
「双子の妹の球は速いよ!」

二人は荒・シーのバッテリーとして有名だった。
双子で、投手である双子の兄の球で何人もの強敵を抑えてきたのである。
「んで、双子の兄は捕手やってたけど、バッターとして凄かった」

ふーん、と興味があるのか無いのか分からないようなリアクションをして二人を見る。


「そんな凄いようには見えないんだけどな……」



それからしばらくして、シガポの元気な声で二人は起こされたのである。


to be continued…
2008.08.03
2008.11.19 改編




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -