「おーい双子の妹ー!」 まだ手を引いたまま、フェンスの所にいる双子の妹に手を振ると、双子の妹は俺を見るなりため息をついた。 「勝手にいなくなんな…ん?」 そう言って双子の妹は俺が手を引いてるヤツを見る。 「誰?」 ……誰だろう。 先輩…じゃないだろ。ビラ持ってたし。 「あ、名前聞いてねえ。名前なんつーんだ?」 くそ、これじゃ双子の妹みたいに常識無いヤツじゃん。 「あ、三橋くんじゃん」 「ふぃっ!?」 「(ふぃ?)なに、知ってるの」 「同じクラスだよー」 どうやらコイツは双子の妹と同じクラスらしい。 よかった。先輩じゃなくて。 そんなことにホッとしていると、グランドの方から誰かがこっちに向かってきた。 髪長くて、ジャージで…女だな。 「野球部「に入るの!?」」 双子の妹が言ったあとにタイミング良くその女は言葉を続けた。 肩に乗ってる手が痛いのか、双子の妹は少し表情を歪ませている。 「また来たよー!!」 そのまま、双子の妹の腕を引っ張ってグランドの中に連れ込んでしまった。 ほっとくわけにもいかないので、三橋と二人して後をついていく。 ていうか、この女…力有りすぎじゃねぇ? |