「双子の兄!双子の妹!」 グランドで作られていた円の中の一人が私たちの名前を大きい声で叫ぶ。 ソイツは、私たちが返事をする前にこっちへ走ってきて、その勢いのまま私に飛び付いた。 「……なんで私なのかな?悠一郎」 「双子の妹の方がやーらけぇじゃん!」 「私は同級生になったから会ってるんだけど。双子の兄には久しぶりに会ったんだから、そっちにするべきだと思う」 悠一郎の勢いに耐えられなくなって、地面に尻餅をついてから倒れた。(頭からは痛いもん、良かった) 「俺、双子の妹好きだし!」 そんな私にも関わらず、悠一郎は私の上に跨がり頬擦りをする。 「悠一郎、双子の妹から降りろ」 「おーっす!久しぶりだな!」 「挨拶よりまず降りろ」 たまに発動される双子の兄の冷たい目によって、速やかに私の上から降りた。 うん。このシスコンモードに逆らうのは怖いよね。 「あら、えっと…田島くんの友達?」「「はい」」 私たちは声を揃えて返事をする。 それを聞いて、力の有りすぎる女の人はにこっと笑った。(わ、美人…) 「名前、教えてくれる?」 「苗字双子の兄」 「苗字双子の妹」 そう名乗って、私たちはようやくチームメイトになるであろう皆に目を向けた。 to be continued… 2008.06.29 |