3回までの俺たちの出番は呆気なく終わった。 今日調子が悪いらしく、思ったように打てなかった。 俺の得意なコースに来たにも関わらず俺は見逃し、空振り。 守備で問題は無かったけど、攻撃はサイアク。 大丈夫か?って悠一郎に心配された。 調子が悪い原因……なんだろう。俺よりむしろ双子の妹の方が調子悪くなってそうなのに、双子の妹はいつも通り。 よく分かんね。 「お疲れー」 「おー、あと頼んだわ」 「どーんと任せて!」 自分の胸を叩いて、水谷が自信満々に言う。 こういうヤツに限って足引っ張んだよな…。 そう思っていたことは内緒にしておいて、バナナ食うことにしよう。 「双子の妹!?」 泉の声がベンチに響いた。 そっちを見ると、泉に支えられてる双子の妹の姿。 顔色が良くない…。 監督の素早い指示で双子の妹は長椅子に寝かされた。 試合は4回が始まった。 「貧血か?」 そう聞けば、小さく頷く。俺はそれを聞いてホッとする。 でも何で? 俺の表情から読み取ったのか、双子の妹は手招きをする。それに呼ばれ顔を近づけると小さな声で、生理だからだって言われた。 よくそんなことあっさり言えるなってため息をついて、監督に説明しに行く。 「双子の妹ちゃん、どう?」 「貧血です。その……あれ、らしくて」 あ、もしかして言わなくて良かったことだったかな。 なんか恥ずかしくなってきた。 監督はニコッと微笑んだ。 「帰ったら、鉄分ちゃんと摂らせてあげてね」 「は…はい!」 鉄分、てつぶん……レバーとか、ほうれん草? いいや、レバー買ってきてレバニラ炒めでも作ろう。 それを伝えると双子の妹はいやな顔をした。 レバー嫌いだもんな。 ……やっぱ、女なんだよな。 to be continued 2009.01.15 |