「……髪型とか双子の兄にできるだけ似せてシニアに男として入った」

あっさりと泉は見つかった。
何故か双子の妹と一緒にいたけど…。
少し真剣な雰囲気に俺は割って入ることはできなかった。
ただ見ることしかできなかった俺を悠一郎はまじまじと見る。

「そうだったっけ?」
「そうだよ」



最初俺は野球をやりたいわけじゃなかった。
双子の妹が野球をやりたくて、俺は双子の妹から離れるのが怖くて、それで2人でシニアに入った。
今となっては野球が楽しくなったんだけどな…。


「…俺、高校一緒になるとは思わなかった」


双子の妹たちの雰囲気につられたのか、悠一郎は声のトーンを落として話し出す。

「シニア引退したら、もう一緒に野球することは無いんだなーって諦めてた。」
「…まぁ、会えたとしても敵同士だっただろうし」
「だからさ俺嬉しいんだよ!」

声が大きい!と悠一郎の口を慌てて塞ぐ。
双子の妹たちが話し続けてるのが確認できるとホッと一息ついて塞いでる手を離した。

「俺も嬉しいよ、多分双子の妹も……」
「また、3人で馬鹿やろうぜ!」
「そ「それはヤダ」

「「うわぁっ!!?」」


いつの間に。
双子の妹は俺たちと同じように体を丸めて俺をじーっと見ていた。
「孝介にバレるでしょー」
そう言って人差し指を立て、自分の口元に当てた。
「っつか!お前いつから泉を名前呼びに!」
「さっき?」
「聞き返すな!」

「そこの3人、もう寝るぞー?部屋戻れよー」


やっぱり声は大きかったのだろうか、花井がひょこっと首だけ出して俺たちに言った。




「高校でもよろしくね、悠一郎」
「おう!よろしくな、双子の兄も!」
「……よろしく」




to be continued…
2008.10.13
2008.11.23 改編





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