「わ…もう寝てる」


寝室を覗くと、名前さんは布団を抱き抱えて寝息をたてていた。こんな短時間で寝れるなんて、子供みたいだ。…子供だった。


「可愛いな…名前さん」

下級生のような頬に触る。予想通り、ぷにぷにとして柔らかい。
このままでいてくれたら良いのに。
このままでいたらきっと、名前さんは大学に行けないだろう。現に今日も休んだ。そうすれば俺が独り占めできるのに。



「……名前さん…」

寝ている名前さんにつられたのか、俺も眠くなってきた。大きい欠伸をして、目を閉じた。








「…すけ…兵助!」

「……名前さん…?」

「もう起きろ。夕飯だ」


え、もう?朝飯の片付けをしてから寝たはずでは。
ゆっくりと目を開けると、そこには名前さんが。

「……大きい」
「ん?」
「小さくない…」

目線が下にいかない。いつも通り名前さんを見上げてる。
名前さんは、どうした?と首を傾げる。
え、え、もしかして名前さんが小さくなったのって夢だったのか?


「ほら、飯作るの手伝え」
「は…はい!」

急いで起き上がって名前さんの後をついていく。台所で隣に並ぶと、名前さんは俺をまじまじと見てきた。



「やっぱり、兵助に見下ろされるのはな…」
「え?」




変わった男


2010.06.25
ネタ提供いただきました!
主人公幼児化です。幼児化は私も大好きです…!
見上げてた人物がいきなりちっちゃくなったら驚きもですけど、戸惑いのほうが大きい気がします。

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