他人に興味が無いと自他共に認める俺が、この学園に来て最初に興味を持ったのは同室の名前だ。
いや、持たざるを得なかった、というのが正しいだろうか。しかしこのような言い方をすると後悔しているように聞こえるが、そんなことは無い。同室が名前で良かったと思っているくらい。


あの日も俺は名前と行動していた。厠帰りにふらふらしていたら、何か、が目に止まった。俺にしたら珍しい。
何か、とは人だった。俺に存在を主張しているかのように、何かは歩いている。

「なあ名前、アレは誰だ?」
「ろ組の中在家長次だよ。図書委員長の」


中在家長次。
どうして今まで気づかなかったんだろう。あんなでかい図体を持って独特の雰囲気を纏った人間なのに。
へえ、と言って俺は中在家長次から目を離す。名前が後ろからついてくる。

へえ、中在家長次かあ。
何だか興味が沸いてきた。ヤツはいったいどんな性格をしてどんな人間と付き合ってどんな感情を抱いてるんだろう。考え出すと切りがない。何なんだこの感情は。名前にもこんなこと感じなかったのに。

図書委員長って名前は言っていたな。名前は俺と違って色んな人と関わりを持っている。
じゃあ図書室へ行けば会えるかもしれないな。



「なるほどねー…」














2010.02.22
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