「ね、キスしてよ」

「やーだ」

「やらしいことはするのに」



 名前の手つきは本当にやらしい。きっと何人もが俺のようにこの手に溺れているのだろう。名前の大きな手が好きだった。シズちゃんなんかとは違う。アイツの手は化け物だもの。



「酷いなあ、俺はこんなにも名前のこと愛しているのに」

「臨也は人を愛しているんだろ」

「名前は特別。大好き」


 ぎゅーっと抱きしめて唇を奪ってしまおうと顔を寄せれば、名前の大きな手が俺の口元を押さえる。いやんいけず。


「俺の唇は生涯一人にしか捧げないの」


「その一人を俺にしてよ」


「やだ」




2011.01.02
肉体関係持っても絶対キスしない関係が好きです。

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