「一目惚れだったし、まだあの人が好き。あの人に惚れて、あの人のために尽くして、あの人に抱かれて、その度に虚無感ばかり感じて、それでもやめられなくて、好きでもない俺を受け入れてくれるあの人に甘えてて、
あの柔らかい髪が好き。よそ見しないで俺を見てくれるところが好き。あんな酷いことしてる俺を嫌いにならないでいてくれるところが好き。お前に好かれてるあの人が好き」


「虚無感を感じて、嫌にならなかったか」


「嫌?」


「なんつーか、これ以上やっても無駄な気がして、それで俺は諦めたよ。どんなことをしても拒まないし、だからといってどれだけ愛を伝えようとも応えてくれないんだ」


「ああうん、あの人はそういう人だ」


「俺としてはお前くらい反抗してくれたほうが良いわけだ」


「…ふーん」


「で、つまるところ好きなのか」


「だからそう言っている」


「……そうか」






「でもあの人以上にお前が好きみたいだ」



2010.11.14
仲が悪い状態から始まって、お互いを利用するような関係になり、そして離れられなくなった。

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