「名前の背中は僕のだからね!誰かにあげちゃダメだよ!」



 あきらがそう言ったのはいつだったか、幼い頃であれば大変微笑ましいものであるが、残念ながらそこそこに最近の、高校生の頃だったと思う。高校生のあきらはびっくりするくらいにちっちゃくて、本人もそれを利用して色々甘えていた。晃一が胃痛で倒れるんじゃないかと心配していた。倒れなかったけど。

「名前、僕以外に背中貸したでしょ、浮気だ」
「生徒に貸しただけだ。あと浮気以前に付き合ってねえ」
「…そんな、僕のことは遊びだったの…!」
「……もう良いし」


 この年にもなって、話がいまいち通じないのも、わざと幼さを残しているのもいつも通り。小学校からの仲だ、いい加減慣れた。(できるならもう少し大人になって欲しい)
 あきらの話を半分聞き流してコーヒーを飲む。だいたいなんで、あきらは俺の背中をそこまで気に入っているのだろう。中々解けない謎の一つである。


「名前ー、」
「んー?」



 何かが触れた、よな。突然のことに思考回路はショート寸前だ。


「うえー、苦い!コーヒー苦いよ!」
「あ、あきら…今…」

「もっかい、僕以外の誰かに背中貸したらこれ以上のことするからね!」




2010.10.28
君と僕。好きぃいいいい!
こーちゃんとあきらが好きです。特にあきらが好きです。
あきらは独占するの好きそう。

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