「エマージェンシーエマージェンシー!誰か俺を助けて!」

「名前うるさい」
「名前騒がしい」
「名前黙れ」



委員会も終わって風呂も入って後は寝るだけってときに名前が大声を上げて俺と作兵衛の部屋に入ってきた。左門は名前がいないから暇だと言ってこっちに来ていた。
ったく時間を考えろよ、夜にそんな騒いだら迷惑だろう。


「みんな冷たい!俺の話を聞いてくれよ」
「あーはいはい。とりあえず座れ」


世話好きの作兵衛がこっちへ来いと自分の隣の床を叩いた。それに頷いて名前は襖を閉め、促された場所へ座る。
で、何があったんだ?と左門が聞く。



「とあるだな、とある人がだな、どうも他の人とは違う風に感じるんだ」
「違うって?」
「…なんかこう……話し終わったら物足りない」
「なんだそれ」
「他の人なら絶対ありえないものを感じるんだ」
「だからそれを具体的に」


さっきからどうも名前は抽象的な表現しかしない。いったい何が言いたいのかもわからない。左門と作兵衛は真剣に話を聞いてやっているがどうも俺は駄目だ。はっきりしやがれ。






言葉にできねえんだけど、その人は他の人とは違うんだ。


それってどういう意味?悪い意味?


いや違う。特別みたいな。







それを聞いて左門と作兵衛は顔を見合わせた。それから2人は俺を見る。俺は頷いて答えた。
これはあれだろう。


「名前さ、その人のこと好きなんじゃないの?」



そして絶叫。
ああ本当にコイツは騒々しい。どうしていちいち大きく反応するのだろう。



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