緊張している。俺、今すごく緊張している。
隣に浦風がいて手には団子。俺たちは町に来ていた。緊張していて俺はまともに話せていない。


「名前」
「な、なんだ?」
「今日なんか変だぞ?大丈夫か?」
「大丈夫だ!元気そのもの!」
「…なら良いけど」

余計な心配をさせてしまった。反省しなければ。何か話さなければと学園であったことを話してみた。委員会だとか、ろ組のことだとか。浦風は真剣に聞いてくれてちょっと嬉しい。


「あ、店回んねえと」
「そうだ。話に夢中になってた」
「…行こうか。勘定ここに置いときまーす!」



俺、こんな幸せで良いのだろうか!

それからお互い用事があった店に入った。ちなみに俺はもうすぐ誕生日を迎える(こっちでの)母への贈り物を購入した。浦風に手伝ってもらって、とても綺麗で母に似合いそうな紅を選んだ。


「浦風?」


勘定を済ましてくると、浦風が並んでいるものをじーっと見ていた。いったい何を見ているのかと隣から見てみたら、髪飾りだった。なんとも綺麗な。

「浦風に似合いそうだな」
「なっ…!何を言ってるんだよ!」
「どの色?買っちゃおう」
「名前、頭大丈夫か」
「とっても正常です。藤色にしよう、藤色好きだ」


藤色は浦風に似合いそうだ。一度浦風に当てて見ると似合っていた。
俺が勘定しようとすると浦風は慌てて財布を出そうとしていたから止めた。俺が押し付けてるんだから。



「名前、僕が払う」
「いいの。俺が勝手に買ったんだから」
「でも…」
「ほい。女装のときにでもつけてよ」
「女装しない!」
「え、作法委員会ってしないの?」
「………あーもう、分かったよ」


ありがとう




少し照れて浦風はそう言った。
わ、ちょっと、可愛い!
気づいたらもう空が赤くなってきていて、俺たちは帰ることにした。
道中ニヤつく顔をどうにか隠しながら。



「僕は名前のこと名前で呼んでるからさ、名前も僕のこと名前で良いよ」
「……藤内?」
「うん」





3年ろ組、苗字名前です。
本日めちゃめちゃ進展しました!
あまりにもうまくいきすぎて逆に怖いです。


2010.01.28


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