どうも名前の様子がおかしい。 妙にソワソワして落ち着きが無い。何かあったんだろうか。 「名前」 「なんですか、久々知先輩」 「何かあったのか?落ち着きが無いが…」 「ッ!な、何もないです」 そう言うが図星をつかれたような表情をしていた。名前はまだ仕事があるからと逃げていった。 何があったんだろうな…―― 「あれはね、恋だよ」 「斎藤」 「そっかあ、名前くんもそんなお年頃かあ」 「…年寄りくさい」 恋、ねえ。 あの名前が恋をしたのか。伊賀崎に付き纏われているからうんざりしているのかと思った。押しに負けて伊賀崎と付き合うかと思っていたのに。 ん、伊賀崎に恋してるっていう可能性もあるのか。 「いやあ、孫兵くんじゃないでしょう」 「なんで斎藤がわかるんだ」 「兵助くんにはわからないかもね」 生意気な口を利く斎藤をとりあえず黙らせて、あたふた落ち着かない後輩を見た。 名前が恋したヤツが誰かは知らないけど、できるなら応援してやりたい。名前だって可愛い後輩だ。 「苗字先輩、危ない!」 「うわあっ!」 かなり心配だけど。 とりあえず落ち着いたほうが良いと思う。 2010.01.25 |