好き?
こいつ今、好きって言った?
ええとつまり、俺はとある人…浦風が好きってこと?
じゃあやっぱり気のせいなんかじゃなくて、恋に落ちる音がしたのか。


「で、誰?」
「言えるわけないだろう!」
「俺たちの仲だろ」
「言えるわけないだろう!」


うわあ、確信してしまった確定してしまった。
本当に一瞬だった。浦風とは入学したときから友達だったのに3年目に入ってやっと気付いた俺は馬鹿。もっと話していたらもっと早く恋に落ちる音がしたかもしれなかったのに。

でも浦風も俺も男…だしさ。
ちょっとそこがひっかかったけど伊賀崎というとてもオープンな存在を思い出したら何だか開き直れる気がした。


「誰でも良いけど、その人に告白するのか?」
「こっ…無理無理!俺チキンだもん!」
「ちきん?」
「……小心者だもん」


恋を知ってすぐそれは無理。もうちょっとさ、もうちょっと心の準備が欲しい。
…そもそも、告白してなんだ。付き合いたいとか考えたことないぞ。そうだそうだ、とくに問題無いじゃないか。




「ていうか孫兵は?」
「伊賀崎?」
「孫兵のことは考えてないの?」
「……別になにも」


なんだそうなのか、って三之助はつまらなそうにため息をついた。てめえ。
伊賀崎は何か苦手だ。やっぱり毒蛇とかを愛しているからだろうか。
それに比べて浦風のなんと無害そうなこと!
ちなみに伊賀崎の次に危なそうなのは三反田。下剤を盛ってきそう。







「ま、頑張れ」
「おう」



このチキンハートが勇気を出したら告白、してみようか。
とりあえず第一目標、2人で話をする。



2010.01.21


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