なあ、俺はどうすれば良い? あの女に、俺が平成から落とさせた人間だと知られた。だからどうだって話だ。特に自分が不利になることはない。 最初はあんなに毛嫌いしていた俺だけど、最近は少し受け入れられるようになってきた。 やっぱり名前は聞き取れないし、姿を見ると目を逸らしちゃうんだけど。 ここが好きか、と聞いた。 あの女は答えなかった。 それを見て、何となくだけど分かってしまった。 この女は平成に帰りたいんだ、と。 だからこの室町にわずかに存在した平成である俺に惹かれた。 ああだから問題はそこではない。 問題は、あの女が消えたということだ。 学園中が血眼になって捜している。 あの女は、突然消えたのだ。 「先輩っ!左門と三之助見てないですか!?」 「いや、見てない」 「…っ、ありがとうございます!」 作兵衛は、あの女を捜しに出た方向音痴2人を捜しによく走り回っている。 何等変わらない日常だ。 もうあの女はいない。ただ少し、あの女に対する感情が残っているようだが。 日常を装い活動を行う皆は、ぎこちなかった。 けれどこれが日常なのだ平和なのだ。受け入れ過ごさなければならないのだ。 さあ皆、早く目を覚まして!! 終 幕 → |