知らんぷり


あらあら、そこに居られるのはいつぞやに空から落ちてきたお方じゃありませんか。
今日は潮江先輩と一緒にいるんですね。
いやあしかし、何と面白いことだ。
学園の大半が彼女に恋をしているのだから。
え、嘘だろうって?
いやいや、本当なんだ。
だって現にほら、見てみろ。
彼女に対する熱視線がたくさんあるだろう?
潮江先輩に対しての妬みの視線まであるじゃないか。


「おはよう、苗字くん!」
「…おはようございます」
「今日は苗字くんの好きな茶わん蒸しあるよ!おまけしてあげる」
「ありがとうございます」


はいはい潮江先輩、俺を睨まんでください。
俺だって好きでおまけしてもらってるわけじゃない(しかし茶わん蒸しはありがたい)

「苗字、×××さんにおまけしてもらったんだ!良いなあ!」
「俺は昨日、豆腐もらった」
「安上がりだよなあ、兵助って」

俺の周りも例外無く、あの女の虜になっている。
全く、本当に奇怪なことよ。


「×××さんに茶わん蒸しもらったんだから豆腐くれよ」
「嫌だよ」



ああそうそう。
生憎、俺の耳はあの女の名前を聞こうとしてくれないんだ。
名前が知りたかったら他のヤツに聞いてくれ。





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