臆病な僕は





さっき俺は何を言った?
作兵衛が部屋を出て行って、戸を閉めた音がして正気に戻った。
頭は動かない、記憶は戻らない。
なあ、俺は何を言ったんだ?


「おい名前、どうした?」
「勘ちゃん…?」
「飯、行かないのか?」
「……行く」


作兵衛はどこへ行った?
もしかして俺は出て行け、なんて言ってしまったのか。
ああそうだったらどうしよう。
作兵衛に会いたい!



「お前ら仲良いよな」
「へ?」
「富松と」
「……そっか?」

「さっき富松とすれ違ったけど、しあわせそうな顔してたから」
「しあわせそうな顔?」
「うん」



……じゃあ大丈夫かな?
ああでもやっぱり心配だ。もしかしたら作兵衛はMっ気があるのかもしれないし(いやそれは無いな)

食堂に行ったらいるかな、作兵衛。











あ、作兵衛いた!お願い俺を安心させて!



「苗字くん!」



はい妨害ktkr(おっと口が滑った)
やっぱりあんたは俺の邪魔をしたいらしいですね。
だいたいは我慢できるけど、今だけはやめてほしかったなあ。

「A定食お願いします」
「わ、は、はい」

慌ただしく準備をするこの女。
客観的に見たら可愛いのかもしれない、ここでは。
でも平成で言えば何の特徴の無い女だ。いわば空気。


「どうぞ」
「ありがとうございます」
「あの、苗字くん」




あー、これは避けられないものなのか。強制イベントやめてください。
仕方なく俺は返事をした。





「放課後、話があるので私に時間をください」








ホント、これどんな強制イベントですか。
俺ギャルゲーやったことねぇから分からんです、ハイ。


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