私がこんなに愛されてるなんて、信じられない! だって、私は普通の子だったもの。 見た目はもちろん、性格だってそう。 ある程度良いところがあって、ある程度悪いところがあった。 そんな面白くない私。 だから親友なんてものもできなかったし、恋人だっていなかったわ。 突然目の前が真っ暗になって、次に見えたと思ったときは空だったのはびっくりしたけどね。 今ではそんなの忘れてしまうくらいどうでもいいこと。 だって、そんなことがあったから私は今こうして皆に愛されているの! しあわせ、しあわせ。 カッコイイし可愛い皆に囲まれて、しあわせ。 ちょっと気になるのはあの子、えっと…苗字名前くん。 苗字くんは私を見てくれないの。 私は見てほしいのに…。 だから今日、茶わん蒸しをおまけしてみた。 久々知くんから、苗字くんは茶わん蒸しが好きだって聞いたの! 苗字くんは目を合わせてくれなかったけど、少しはにかんで笑った。嬉しいんだ! ぶっきらぼうにお礼を言われた。 どうしよう!すっごい嬉しい! 私は苗字くんに恋をしてしまったみたい! 皆に愛されてるだけでもしあわせだけど、どうせなら恋が実ってほしい。 分かってる。 こんなしあわせはありえない。 だけど今だけは。 今だけは、このしあわせを過ごしていたい。 知らんぷり 2009.12.05 |