委員会に入ったとき、先輩に会いました。 入学したばっかでもう馬鹿みたいに心臓うるさくて、 そんな中、委員会に入れと言われて用具委員会に入って 委員会最初の日。やっぱり俺の心臓はやかましかった。 「あ、1年?」 そこにいたのは不思議な髪色をした3年生だった。ひびの入った桶を抱えている。 「よ、用具委員会の先輩ですか?」 「うん、そうだよ」 「あ、えと、1年ろ組の富松作兵衛です!」 急に自己紹介した俺に先輩はきょとんとして、それから笑ってそっか!と言った。うわ、笑うと少し可愛い。 「俺は3年い組の苗字名前だ。用具委員?」 「はい!」 「よし。じゃ、委員長に挨拶しに行こう」 これからよろしくな、と先輩は俺の手を引いて、もう片方の手で桶を危なかっしく抱えて歩き出した。 繋がれた手が凄く嬉しかった。 先輩は俺にとって、はじめての先輩だった。 みんなに愛されてる先輩。 一緒に過ごしているうちにそれが分かった。 憧れだったこの気持ちは、先輩を誰かに取られたくない独占欲に変わり、いつしか特別なものになっていった。 「大好きだよ、作兵衛」 あの、みんなに愛されている先輩は俺のものだ。 先輩が告白してきたときは本当に嬉しかった。嬉しくて、嬉しくて泣いてしまった。 「先輩、俺は先輩のものです」 「嬉しいこと言うな。俺も、俺を作兵衛にあげる」 富松作兵衛の場合 → |