「名前、どこ行くの」

「散歩。落ち着かないから」


12月2日、満月。12体のシャドウも倒してしまったからもう特別気にすることも無い。なのに心臓は鳴る。もしかしたらどこかでシャドウが暴れないかと少し期待もしている。おとなしくしているなんてできなくて、外へ出た。湊が何か言いたさそうな目をしている。

「どうした?」
「あ…なんでも…」
「そっか…?」
「……望月に会いに行くのか?」

じっと俺を見て湊は聞く。どうしてそんなことを。
湊は不安そうなよくわからない目をしていた。

「違うよ。こんな時間に」
「そう…だよな。引き止めて悪い」
「いや、じゃ…行ってくる」
「うん」



夜はやはり静かだ。ポロニアンモールまでの道、出会うのは影人間ばかり。気が滅入る。
出てきたは良いけどどこへ行こうか。ゲーセン?気分じゃない。ふらふら歩くか、本当に散歩だ。
んー、と伸びをして目を開けると金髪の美少女が視界に映る。あれは、




「アイギス?」


どうしてアイギスが一人でこんなところに…。それも制服も着ないで。携帯を開いて時間を確認すると、もうすぐ影時間だった。タルタロスへと向かっているのかと思ったが方向が違う。あの方向は…ムーンライトブリッジだ。


「どうしてムーンライトブリッジに…」


そういえば山岸がアイギスを見ていないと言っていた気がする。放課後からずっといなかった。後を追ってみようか。






「あ、影時間になった」



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