「名前ゲーセン行こう」
「わ、分かってるから急かすな」


この有里湊という生き物、さっきから花飛ばしてます。この状態でいればきっと女の子が何人か落ちるよ。
どうして花を飛ばしているのかというと、昨日タルタロスで岳羽に言われた通り遊びに誘ってみたから。よほど嬉しかったらしく、俺は結構驚いてます。いやだってあの湊がこんな一目でわかるようなことをするとは。

「あ、あや今日は俺、湊と…」
「うん。見てれば分かったよ。楽しんできて」
「……うん」


早く早くと湊がかばんを引っ張る。はいはい分かりましたって!
じゃあな、と友近と宮本に挨拶して俺たちは教室を出た。
あ、友近にはしっかり肩パンしておきました。今度はがくれおごってくれるって、やった。

「湊殿、本日ハ…」
「ごめんベベ、名前と遊ぶんだ」
「ソウデスカ…承知シマシタ!」
「有里くん!今日部活あるけど…」
「すみません先輩、用事がありまして」
「そっか。残念だな」


「……湊、お前友達たくさんいるんだな」
「名前が望月と遊んでる間にね」


あ、拗ねた。
でも本当、湊にはたくさんの友達がいる。話しかけて来なかったけど生徒会の書記さんもちらちらこっち見ていた。
全然知らなかった。うん。


「名前早く」
「はいはい」



そんな人が俺なんかと遊んでて良いんですかね。…あやもそうか。
何か俺ごめんなさい。




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -