「ただいまー…って、あれ?名前くんは?」 「湊の下」 「あやー……っ」 ドリアンオレを買って部屋に戻ってきたら、名前くんの姿が見えなかった。 聞いたら有里くんの下にいるらしい。 確かに有里くんの下には布団の山が…。そこから声がするから、本当にいるのだろう。重くないのだろうか。あ、でも有里くん軽そうだから大丈夫かな? 「み、なとっ!いーかげん!」 「今度の日曜日、遊んでくれる?」 「……その日は、あやと約束」 「じゃあ退けない」 「じゃあこのまま寝る!」 あ、名前くん拗ねちゃった。 むすっとした湊くんも退くつもりは無いらしく、そのまま名前くんの上に居座り続けている。 「あの、僕との約束なら別に…」 「駄目!あやと遊ぶ!」 「……ごめんね?湊くん」 望月は悪くない、と湊くんは言ってくれたけど凄く罪悪感がある。 湊くんは一度、名前くんの上から避けたと思ったら、掛け布団を持ってまた名前くんの上に乗った。そこで寝るの? 「……俺たちも寝ようぜ。あいつらはほっといて」 「うん。そうだね」 僕は素敵な友達に出会えたと思う。 ふふ、日曜日が楽しみだな。 大切な君 皆が寝静まった頃、隣の布団が動いた。 湊くんはとっくの前に落ちていて、僕とは逆の方で寝ている。 「ねえ、あや」 「なに?」 「俺、あやのこと好きたがら」 「僕もだよ」 「なんでか分かんないけどさ。あやと離れちゃ駄目な気がすんの」 「…なんでだろうね」 「だから俺はあやと絶対離れない。限界あるけど、出来る限りは離れないから」 「……ありがとう」 2009.12.23 |