「……え?」


学校から帰ると、茶の間には見知らぬヤツがお茶を飲みながら、おふくろと話していた。
話していた、とは言ってもおふくろが一方的に話しているだけで、いつもよりジェスチャーが多い感じだ。
それにその見知らぬヤツは頷いたり笑ったりしていた。


「あら孝介、おかえり」
「…誰?」
「苗字名前くん。今日から家で暮らすことになったから」




ちょっと待った。
そんな重要なこと聞いてないんだけど。
あら言わなかった?

おふくろとの会話にため息をつくと、ビクッとその、苗字名前の肩が揺れた。その態度に三橋が見えた。
どうした?と首を傾げると、何でもないと言うように首を横に振った。



「息子の孝介よ。名前くんと同い年ね」
「…ども」

俺が頭を下げれば、アイツも頭を下げた。
話を聞くと、俺の部屋で生活するらしい。うわ、片付けてて良かった。



「あんた名前くんのこと頼むわよ。学校でも何でも」
「はいはい」






じゃあ、夕飯の準備するから、とおふくろは台所へ姿を消した。
これは夕飯ができるまで、コイツと意思疎通を図れということなんだろうか。


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