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||| ベリアル

「再生にも創造にも、全てにおいて素材と時間が足りていない。ファータ・グランデという檻の中にいる以上、前者はどうにもならないものだ。だが後者はどうだ?キミの時間が足りない原因は、特異点がキミという世界を強制的に動かすからだ」
「特異点を処分しろ、という指示を遂行できると?」
「処分は難しい、なにせ相手は特異点だ。だが足止め程度ならできる。それも世界を揺るがす程度の足止めだ、好みだろう?」
「好みか否かは別として──それを一人で行えるとは思えませんが」
「それに関しては協力者がいる、問題ない。目的は違えど手段は同じだ」
「規模は」
「天使長の座の消失、アバターの起動。スペアの覚醒が半々ってとこか」
「わかりました。精々足止め頑張ってください」
「頑張るのはキミだろう?はは、一つ破壊したところでその間に新たな遺産が復元される。"イタチゴッコ"と言うんだったか」
「それでもいつか終わりは来ます」
「キミがファーさんを今世に蘇らせて、それでようやく終わりだ」
「創世神も、特異点の旅も、世界も終わる。そうしてやっと、ナマエは幸せになれる……」
「しかしお膳立てされた終末なんざファーさんが好むかねえ」
「…………やっぱり平和な世界設計に計画変更します?」

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