果たされる誓い


"我々の家系はこういう末路を送る"
と言われ幼いながら俺は理解もしなかったし寧ろ恐れた。
かと言って愛するものを作るなと言う方が無理な話で恋多き俺はいつだってこの恋人の為ならば死ぬ覚悟、とまず第一に考えて付き合うようにしていた。別れたら彼女は運命の相手ではなかったと切り替えまた違うシニョリータを探す。どの女性もまるで命の短い生花のように扱ったがどれも長続きはしなかった。彼女たち曰わく、危なさ過ぎる男も問題なんだそうだ。

そんな中、祖父の旧友でもあるスピードワゴンさんに連れられやってきた押し付けパートナーは最低最悪な男。田舎もんな上に礼儀がなってない。のくせ人にはやたらめったら敏感で馴れ馴れしいかと思いきや不快に思うパーソナルエリアには入ってこないのだから拍子抜けする。



いつからだったろうか。
祖父や父の言っていた意味を理解することが出来たのは。

祖父はこいつの祖父を、父は俺を、そのまたご先祖は知らないが裏を返せば愛するものの為に死ぬと言うことは命を張ってでも守るべきものができたということだ。

その意味に気づけた俺もまた、命を張れるものができたということで。

「シーザーちゃんシーザーちゃん!みてみて!俺ってばこんな事できるようになっちゃったんだから!!」

ドタドタと図体でかい足音が聞こえたかと思えば意中の人。俺の気も知らないで新しい波紋の修行成果を見せてくる。

守ると言うにはでかすぎる男だが俺から言わせるとこいつは俺の女だ。問題ない。

一人納得していると黙ったままの俺を訝しんだのかおーい大丈夫ゥ?とのぞき込んできた。嗚呼大丈夫だと短く返答してやるとそれが気に食わないのかこいつは見るからに膨れ面になった。

「ちゃんと見てないデショ」

「見てるさ。良くできたなジョジョ」

「ちくしょー!!その上から目線がムカつくんだよなーっ!」

「仕方ないだろ。じゃあ他に何て言えば良いんだ。俺がお前を褒めること何て滅多にないだろう」

「むきゃー!その言い方!!」

目の前で子供のように喚くこいつこそが運命の相手であると、亡き先祖たちに胸を張って自負出来る。恋愛がどうとかではない。恐らく、シニョリータ達込みで考えて本当に命を掛けてまで守れるやつはこいつしかいないとそう思ったのだ。

大丈夫だジョジョ、いやジョセフ。お前のことは命を懸けて守るから、なんて口が裂けても言ってやらないけど。
   
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