花村誕!
※花村妹・弟捏造アリ
僕の夢は花村食堂の復興で。母さんのレシピを作ってはそれを母さんに味見してもらって、
"美味しい"
そうやって言って貰えただけで、僕は天にも昇る気持ちになって。
妹や弟にも、
"美味しいよ兄ちゃん!"
幸せだった。
今日、最後の一人、弐大君が起きて無事みんなが目を醒ました。終里さんが号泣して抱きついていたなぁ。
起きたら日向君たちが泣いて喜んでくれた。でも僕は母さんたちがどうなったかしか頭になかった。そこで聞かされた話は、母さんや母さんたち、花村食堂含め全て壊滅していると言う事実。
絶望し、怒り狂ったが外を見たら不思議と冷静になった。もうこの世に母さんはいない。涙も出なかった。もう何もかもどうでも良くなって、空っぽだった。
今日はお祝いにパーティーをしようと言うことになった。もうこちらにきて何回もパーティーしているが僕は一度も料理をしたことがなかった。否、出来なかった。
料理をするたび絶望時代がフラッシュバックする。何度やっても、母さんの泣き顔しか写らないんだ。
「花村」
「どうしたの?」
「料理、作ってくれないか?」
そう言う日向君の後ろには僕を見つめるみんな。その目は、僕の料理の完成を隣で見つめる妹、弟や花村食堂のお客さんに似ていた。僕の胸には絶望時代じゃなくて、あの暖かい日々の記憶が蘇って、今なら作れるかもしれない、そう思った。
「うん、わかった」
そう言ったらみんなは涙目にして喜んでくれた。
僕は一心不乱に料理を作った。蘇る絶望を切り裂き、暖かい希望へと変えていく。
気づいたときには僕の目の前には豪勢すぎる、でも暖かい、そんな料理がたんまりできていた。
みんなに手伝ってもらい料理をホールへ運ぶ。懐かしい、と思ったがみんなに料理を作ったことが無いはずの僕は不思議に思った。
「みんなが無事に起きたということで!!かんぱーい!」
みんなは各々食べ物に手を着けていく。
「美味しい!!」
みんなが一斉に美味しい美味しいと口にする。
自然と、ボロボロと僕の目から涙が零れる。僕はきっと、この言葉に、今まで生かされていたのだと気づく。
母さん、弟妹よ、僕はみんなの希望に生かされています。
「たーんと召し上がれ!!」
((花村誕生日おめでとう!!))
*あとがき*
花村大好きです!料理でみんなに希望を与えているのもまた花村ということ。