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「何なのよ一体!この仮面は」


主人公は未だ少し咳き込みながらも主張したい言葉を大声で口にした


主人公は客間の隅に座り込み
ゼルダが主人公の背を擦り
ムジュラの仮面は主人公とは反対側の部屋の隅に泣き疲れた様子で落ちて
勇者の影はその仮面の自由を奪うように上から踏み付けていた




「あれはムジュラの仮面です…先代の王が城の地下に封印したもの…」


「それはさっきコイツから聞いた」


ゼルダが説明しているところを
勇者の影は聞き飽きたように遮った



「まさか…まさか勇者の影っ、まさかまさか!?」

「…?、まさか…?」



「あ、貴方が…封印を解いたのですね?」


ゼルダが初めて勇者の影に話し掛けた

そこで勇者の影は初めて彼女の存在に気付いたようにゼルダの顔を見た




「貴様が…『今の』ゼルダ姫か」




その台詞に主人公とゼルダが揃って眉を潜めた




「何だって?『今の』って…何?」


「貴方は…何者です…その姿は、リンク?」



「チョーっと!!この足退ケロ!!勇者の影!ヤメロぉ!!」



今まさに勇者の影への質問攻めが始まろうとしたときムジュラの声が空気を裂いた


「黙れ、板切れの分際で」


「痛、イダぃっ!仮面差別!?!」


何故かもう勇者の影とムジュラの間で上下関係ができあがっていたらしく

どうやら思ったよりも仮面の存在を危ぶむ必要が無いとわかり主人公は胸を撫で下ろした



「まぁ、勇者の影…その足は絶対に退かさないでね、…それより…あの、話の途中だったんだ」


「そ、そうですね…」




ゼルダは未だ冷や汗をかきながら仮面の様子を観察した

ゼルダは幼少から絶対に封印を解いてはならないと聞かされていた
しかしその仮面の意外な人間味のある性格には驚きを隠せなかった
この仮面を封じるためにどれだけの犠牲が払われたなんて俄かに信じがたいことだ




「何から話せばいいんだっけ…?うーん…と、勇者の影、何か聞きたいことある?」



「そうだな…」












「ところで俺達は何をしに来たんだ?」



「ンまずそっから!?」











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