「七夕だって霧野」
「ああ、笹が飾ってあったのか。どおりでロータリーに人が多いと思った」
「せっかくだから書こうよ霧野」
「おー、せっかくだし書くか」
「ほい、短冊ピンクあったよ」
「なんか…ピンクだと女子みたいだな」
「何言ってんの霧野は女子みたいだよ」
「…悪口やめろ」
「…霧野書けた?」
「書けた書けた」
「何て書いたの?」
「秘密」
「出た出たそういうの。よし分かった私が当ててやろう。…ヒント!」
「早速すぎるだろ。…うーんとな、ありきたりなタイプ」
「『サッカーがうまくなりますように』」
「ハズレ」
「『サッカーと仲良くなれますように』」
「松風か。サッカー関係ではない」
「『受験合格』」
「一年早いな」
「『神童ともっと仲良くなれますように』」
「残念だがもうこれ以上ないくらい仲良しだ」
「自慢か」
「自慢だ」
「…ああもう範囲広すぎるんだよ!もう!」
「『リア充』。これが正解。」
「うわあ、思春期男子の在り来りなタイプだ」
「だから言っただろ。ちなみに」
「ちなみに?」
「出来れば笹木希望。」
「うわあ、…うわあ。」
「ありきたりな告白だろう」
「…ベタベタ」
「ありきたりだろ、でも、非日常だろ」
「…そうね、とりあえず心臓どこどこしてるからビックリはしたわね。…非日常だね。」
「で、俺の願い事叶いそう?」
「…叶えてあげなくも、ない」
120707