おれが来ちゃった1

「おおっ。俺かなりのピンッチ!!?」

大勢の敵に囲まれて冬樹はニヤニヤと叫んだ。


災害救助のUSJの授業で大勢の敵に襲われた冬樹は他の1−Aと同じくワープで飛ばされ一人室内施設にいた。

1人って、これ俺が寂しいパターンだ!?と思って冬樹いわく心の友である常闇を探すために「常闇〜、常闇ィ〜!!!」と冬樹が叫んでいると、現れたのは常闇ではない別の何かというか大勢の敵だった。

お、おまえらなんて別に呼んでないんだからね!!と思ってみてもどうみても平凡そうな少年一人を見つけた敵たちは圧倒的な有利にニマニマと笑っていた。
ので、冬樹も思わずつられて笑って冒頭の台詞を言ったのだ。

そんないきなり笑い始める冬樹に敵は「なんだこいつなにを笑ってやがる」と一瞬警戒したがすぐに「怖すぎておかしくなったんだろう」と何もする様子のなく弱そうな見た目の冬樹に改めて警戒を軽く解いた。




話は変わるが冬樹はいわゆる”個性婚”により生まれた。
それは轟とは異なり近親で交配することにより個性を強めるという方法で行われるものであったが。

彼の性である唐沢は個性が出現した当初から“個性婚”を行っていたため強力な個性を持つ一族としてプロヒーローの間では有名である。
とはいえ唐沢はヒーローとしてどこに属することもないので、一般には知れ渡っていない。
そんな特異な存在は都市伝説のようになっていた。

そしてその唐沢の中でも冬樹はとくに色濃い“個性”を持っているため、本当は外へ勝手に出ることを禁止されているのだが冬樹は強力な個性を持つ唐沢の家の者の制止を物理的に振り切って雄英へ来た。

そう。だから。



「こんなモブたちに俺が負ける訳がないだろ」


敵が何が起こったかわからない間に冬樹は視認できる範囲の敵を床に沈めて、そんなまるで豆腐のようにあっさりと床に食い込んだ敵たちを冬樹は静かに見下ろした。
そう冬樹は強かった。
だからこんなチンピラ風情相手にはならないのだ。

「・・・なんて、一回爆豪みたいにモブって言ってみたかったんだよね。酷いんだよ爆豪ってば俺のことモブって言うんだ」

そして気絶しているため返事のない敵の横へ冬樹はしゃがみ込み、少しの間ピクピクと動く敵を近くにあった棒で突っついて。
思い出したように立ち上がると「常闇ィ〜、常闇〜〜」と再び常闇を呼びながらフラフラとその場を後にした。






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