おれが来ちゃった!ヒーロー殺し2

 とまあ頑張って2匹まで減らして焦凍のとこに向かったけど。

 その際に気配を消して、こっそりと近寄った。存在が知られていないのはアドバンテージだからな。無駄にはしない。

 ビルの間の路地には緑谷と飯田と焦凍とプロヒーローのお兄さんが一人とヒーロー殺しがいた。
 クラスメートの三人はヒーロー殺しと戦っている。


 俺も参戦しようかと思ったけど。ただ見守ることにした。
 正直、俺が入れば楽勝だろう。血を舐められなければいいのなら、俺はそんなことされないし。
 純粋なタイマン……いや相手ナイフ持ってるから違うけど、それでも俺の方が上だろう。
 それに4人相手ではヒーロー殺しの特性上かなりフリ。もう勝てる気しかしない。

 だから俺は本当にピンチになるまでこっそり見守ることにした。


 結果は緑谷と飯田の攻撃でヒーロー殺しは倒された。
 緑谷は少し見ないうちにまた強くなったというか、個性がまた馴染んだような感じがする。


 「焦凍!俺をおいていくなんて酷いじゃないかっ。みんな無事なようで何よりだよ」

 俺は今来ましたって風でみんなと合流した。

 ヒーロー殺しを縛るのを率先してやっていると緑谷に話しかけられた。

 「唐沢くんも来てくれたんだ」

 「おうよ。俺も焦凍と同じ職場だったから一緒にいたんだけど、脳無と戦っててさ。焦凍、君のメッセージ見てすぐ走って行っちゃうんだもん。俺その分頑張ったし」

 「……悪かった」

 「焦凍いいよ。貸しな!後で一緒に遊ぼう、遊んでください。しかし、すごいな三人でプロでも難しかったヒーロー殺しやつけるなんて」

 俺は気絶したヒーロー殺しを見る。
 三人とも満身創痍だけど、ヒーロー殺しなんて比にならないレベルでボロボロだ。
 だからって油断はできないけど。

 ヒーロー殺しを拘束した後、しょっぴいていくとグラントリノっておじいさんなヒーローとエンデヴァーからの応援で駆けつけたヒーローと合流した。

 そして、飯田は立ち止まり二人に怪我をさせてごめんと謝った。

 俺はそのとこよく知らないから見守っていると、グラントリノが

 「伏せろ!!」

 と叫んだ。

 羽の生えた脳無が現れたのだ。
 脳無は緑谷を鳥のような足で掴み空へと飛び立った。その場にいた全員が慌てる。

 まったく、ヒロインか。どうせなら俺を捕まえてくれたら楽だったのに。
 いや、俺かすぐ近くにいる焦凍だったら飛び立たれる前に犬神家にしてやるけど。分からない人は“犬神家”って検索して画像見てね。

 さて、仕方がないなと足に力を込めようとしたら一つの気配が動いた。

 それはヒーロー殺しだった。
 ヒーロー殺しは素早く脳無の血をつけた女性から血を舐めとると、動きを封じて脳無へナイフを突き立てた。

 緑谷を助けたのか?

 そこへちょうどよくエンデヴァーが現れた。

 そしてエンデヴァーはヒーロー殺しを倒すべく向かっていくけど、ヒーロー殺しが禍々しい気を放ち振り向き、反射的に身を引いた。
 俺も思わずクラスメートを背後に庇うように集団の前に出てしまった。反射的に攻撃されると構えてしまったのだ。

 けれど、ヒーロー殺しは向かってくることなく、なんか話始めた。

 要約すると、えっと、偽物がどうとか俺を殺していいのはオールマイトだけとか。
 要約すべきでは無かったね。いや、なんか格好いい感じに言っていたよ。うん。

 それだけ言い残すとヒーロー殺しは立ったまま気を失った。



 後々分かったことだけど、ヒーロー殺しはまあ簡単に言うと商売としてのヒーローはどうかと思う的な思考の人だったらしい。
 まあ俺も同じようなこと体育祭で見て思ったけどさ。
 思考の押し付けって良くないよな。
 大体狙う相手が違うだろ。よくテロリストとかも女子供狙ったりするけど狙うならトカゲの尻尾より頭狙えっての根性無し。

 なんか感銘を受ける人もいたみたいだけど、俺にはよく分からん。






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