おれが来ちゃった!〜だれが1−Aのトップだ〜

学級委員長を決めるそうだぜ!

この日A組では学級委員長を決めることになった。
普通ならあまり人気のない役職であるがこの雄英では自主制が高くクラスのほとんどが学級委員長へ立候補の挙手をした。

かくいう冬樹も別になりたいとも思っていなかったが楽しそうなのでクラスメートたちが手を上げる中一緒になって手を上げた。



こうして最終的に委員長は投票という形になり、緑谷と八百万に決まった。
その結果に冬樹は内心ふーんという感想しかなかった。
常闇が選ばれていたらすこしは思うところもあったかもしれないが。



結果が決まり、次の話へと移ろうとしたとき。
曲がることなく天を目指すピシっとした挙手が高々と上がった。
挙手をしたのは飯田であった。

「先生!」

「なんだ、飯田」

「全員の投票のはずでしたが。一つ票が足りないように思えます!」

確かに投票の数を数えると20しかない。
その事実にほとんどの生徒が今初めて気がついたようでざわめきが生まれた。

「問題ねェよ。その一つの票は『だれでもいい』だそうだ」

相沢はチラリと冬樹を見て答えた。
匿名であるはずなのに筆跡から自分だとバレてしまうなんてなんだかなあと冬樹はこっそり思ったが、我関せずの顔で笑う。
常闇に投票しようかとも思ったが、それだとなんとなく寂しいのでやめておいたのだ。

飯田は「これからのクラスの命運を分ける学級委員長を選ぶのにだれでもいいとは何事だ!」と熱く憤慨したように言っていたので、冬樹は次はお昼ご飯の時間だなあと思った。






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