おれが来ちゃった!体育祭2

二番目の競技は騎馬戦だった。
そして冬樹はハーレムだった。

内容が発表されて冬樹は常闇と組みたいなぁと思ったけど、残念ながら常闇は緑谷にもう誘われていた。
おおう、おれの友よ。と冬樹は常闇と組めなくて寂しく思ったが仕方ないと誰か自分を引き取ってくれそうな人を探すことにする。

他に俺と組んでくれそうな人うぇとフラフラしていると後ろからそう時間を置かずにポンっと肩に手を置かれ。
若干嫌な予感をしながら振り向くと、幼なじみのB組の黒羽血代がにっこりと「一緒に組もうよ唐沢くん」と誘ってきた。

どうせ俺の体(血)が望みなんでしょ!
と思ったけど、他に一緒になってくれる人がいないので冬樹は「よろこんで!」と返した。

黒羽血代は前にも説明したが、同中出身の友達だ。
見た目はきれいとか可愛いだとかで分けるなら可愛いタイプの女の子で、どこか小型犬を彷彿とさせる明るい雰囲気の女の子である。

他の組む二人の子は黒羽の友人のB組の女の子だった。
よろしくねと挨拶する間、黒羽の個性で身体から出した真っ黒のコウモリに冬樹は血を吸われながらだったのでドン引きした顔された。
下せぬ。

黒羽はコウモリを体から出すことができるのだ。
一撃で消えるくらい非力だが、意識を共有し実態はあるので血を吸うだけでなく偵察やらコウモリの羽だけ出して飛ぶこともできる優秀な個性である。


こうして黒羽が騎手で冬樹が騎馬の前、二人が後ろとなり第二競技が始まった。

またもや、開始からしばらくして地面が凍ったが冬樹は同じチームの女の子たちに「俺に捕まれ!」と言ってジャンプしたのでなんとか氷に巻き込まれずにすんだ。
始まる前に冬樹は「捕まれっていったら俺にしっかり捕まってね。俺が華麗に逃げるなり避けるなり逃げるなりするから!」と言ってあったのだ。
その台詞に二人は戸惑っていたが、黒羽が「唐沢くんの個性は“肉体強化”だから。力持ちなんだよ」と足りない言葉をフォローし快く従ってくれた。


逃げながらも轟の氷結に他がひるんでいる隙に黒羽が個性を使ってコウモリを出し鉢巻を奪い取る。
やはり彼女は血を吸うと強い。
本日二度目の吸血はしんどかったが。騎馬戦では遠距離から鉢巻きを奪える能力である黒羽の能力はかなり有利だ。

「よっし、この調子で行くよ!」

早速鉢巻きが手に入り黒羽が上機嫌で鼓舞する。

めっちゃ轟の漁夫の利だったけどな。
と思いつつ冬樹はあたりを見渡せば常闇ががんばっているところが見えた。
やはり点数が高い鉢巻を持っているのでめっちゃ狙われているところだった。

やっぱり格好いいわ、常闇。
影で応戦する常闇を見てそう思う。

そんな常闇たちを狙っている人たちからコウモリを飛ばしてこっそりと鉢巻奪っていく黒羽は鬼畜である。

本当動かなくてもいいし、あたりも警戒できるので楽だ。

「よう、黒羽」

鉢巻きを取るのは黒羽に任せながら、警戒していると後ろから声を掛けられた。
後ろから来る騎馬には気が付いていたけれど話しかけられたので冬樹はすぐに正面へと向くとそこには不健康ぽそうな男がいた。
えっと、確かB組だったっけ?
冬樹はA組以外の男の名前は正直誰も知らなかったのでクエスチョンマークを浮かべながら現れた男を見る。

ちなみに冬樹がA組以外で名前を知っているのは黒羽経由の女の子だけだが。

「心操くん」

黒羽は彼へと返事をした。
なるほど彼は心操という名前らしいと冬樹は理解した。

そして、すぐに違和感を覚えた。
警戒の為に回りを旋回していたコウモリが消えたのだ。

「ッ、みんな俺に捕まれ!!!!」

冬樹はそれにすぐに何かされたのだと気がつき、チームへと叫んだ。

そして心操から距離を取り逃げた。

「」

去り際に心操が何か言っていたようだったけど、冬樹は超ダッシュで逃げたので聞こえなかった。


離れてから黒羽は「あれ?私、何していたの?」と正気に戻ったようだったので、やはりあの時なにかされていたようだと冬樹は分かった。

接触は確かに無かったから、言霊か視線か。発動条件はそんなものなのだろうな。
・・・視線ならもっとアクティブにできただろうから言霊か。
そう偽装している可能性もあるが。

とか冬樹は分析をしながら追っては来なかったため、足を止め頭上にあるモニターを確認すると冬樹たちは現在5位だった。

「唐沢くん、このまま逃げきればイけるかな」

「うぬ。念のためにもう一本くらいゲットできたらいいけど。だいぶ鉢巻も固まってきてるなあ。とりあえず逃げながら隙を見るか。黒羽、次から心操に声かけられても反応しないように。たぶん精神系の個性だ」

「うん、ごめん」

この後は冬樹達は鉢巻きを失ったチームから狙われまくったので、ほぼ逃げばかりとなり。
特出して大きなことはなかったから割愛すると。
最後爆豪に「モブ面、てめえ鉢巻をよこせ!!!」て言われて追われて「げっ、逃げるモブ!」とめっちゃ逃げたのは危なかったが。

冬樹たちは無事次の競技へと勝ち残ることができた。






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