絡めて絡めて2
「?先生」
俺は先生を街で見かけたのでこっそりと糸をつたい追いかけてみましたら、先生は人影のない場所で筋肉が縮み体が小さくなりました。
まったくの別人のようになった貧弱なオールマイト先生に思わず声をかけてみますと、先生はハっと驚いたようにこちらを見ました。
「唐沢少年、君、いたのかい」
「はい。オールマイト先生、ですよね」
「ああそうだ。私だ。油断してしまったか」
確かにオールマイト先生で間違いがないようです。
見つかってしまい諦めたのか先生は貧弱になった理由も話して下さいました。敵にやられて今はもう気を張らないとこう縮んでしまうらしいです。
が、そんなことはどうでもいいです。
「先生、なら今は力は使えないのですか?」
「ああ、まだしばらくは力が戻りそうにないな。・・・幻滅しただろう、唐沢少年」
やせ細ったオールマイト先生は自嘲気味にそう俺に尋ねました。
それに俺は首を横に振ります。
「そんな訳ありませんよ。俺はどうなろうともオールマイト先生が大好きです」
「唐沢少年」
「それにね、先生。俺は嬉しいんです」
「!!?」
俺はそう言って先生にいつものように糸を巻き付けました。
それに先生は驚いた顔をしますが、俺は糸に絡まれ動けなくなった彼の元まで近づきニコっと笑います。
「これで、先生に逃げられる心配はないってことですね。ふふ」
俺は動けずに困惑している先生の唇へと優しく接吻しました。先生は目を瞑って下さらずに驚いたように目を見開いて接吻に応じて下さいました。
ああ、なんて嬉しいことだろう。
「こらっ、何をしているっ唐沢少年!?」
「オールマイト先生大好きです」
先生、だから俺のはじめてをもらって下さいね。
いつもと違い細い体を抱きしめて見上げて微笑みそう言えば、先生は顔を真っ赤にして口をパクパクと閉口しました。
青くなるわけではなく赤くなったってことはいいってことですよね?先生。
嫌なら抵抗すればいいのに、ただ先生は身体をかたくしただけでした。
だから俺は再び先生の唇へと自分の唇を今度は深く重ねました。