よみねずみ

「ん?これドフラミンゴの弟じゃね?」


雪の中に死にかけている大男を発見したおれは思わぬ落とし物をみつけた。

おれはこの島でオペオペの実の取引が行われるという情報をつかみ、横から手に入れるためコソコソと探し回っていたのだが、みつけることができなかった。
まあ寝坊して出遅れたのが悪いのだろうけど。

起きたらもういい時間が経っていたので急いできてみればなんか一地域が糸で囲まれていた。
その光景に戦闘はもう始まっていると知りおれは糸の隙間をぬってチョロチョロと一応オペオペの実を探してみたのだが見つからなかった。
なのでしかたない帰ろうと思って帰ろうとしら死にそうなドフラミンゴの弟をみつけた。

助ける必要ないしなあ。

おれは彼の顔をのぞき込んで迷った。
せっかく見つけたものだから持ってかえりたい気もするけど、いらないといえばいらない。
それにこれから海軍がくるだろうから逃げるのに邪魔になるだろうし。

どうしようかなー。と迷っておれはコインを取り出して賭けることにした。







「あっ、起きたんだ」

「!?」

おれが彼を助けてから数日、おれの家に連れてきたてからやっと目を覚ました彼は起きるなり驚いたように目線をさまよわせた。
体はまだ動かないみたいでベッドから起き上がりはしない。

「ずっと起きないから死んじゃうのかと思ったよ。良かった。これで埋める用に穴を掘らなくて大丈夫だね」

「だ、っだれだ!?」

まだ起きたばかりなのでガラガラな声でなんとか彼はそう言った。

「だれってアキだけど。君はドフラミンゴの弟だよね」

「・・・どこ、にいるんだ?」


おれが見つからないようで彼は部屋探すように見渡しているけど、おれはすぐ横にいるのに。

しかたがないので人間の姿に戻ることにした。


「ここだよ、ここここ」

「!?」

彼は真横にいきなりあらわれたおれに驚き目を見開いた。

「おれは動物系のねずみ人間だから。きみが気がつかないだけでずっとそばにいたんだよ。あっ、水飲む?さすがに喉乾いたでしょ」

「・・・」

水を差し出せば、彼の喉が欲するようにゴクリとなった。
けれど彼は警戒するように水を取ろうとしない。

「え?毒味が必要?」

べつにしてもかまわないけどと言うと彼は無言で水の入ったカップを受けとりすぐに飲み干した。
誰かもわからない人のものを口にいれるなんてよほどのどが乾いていたのだろう。毒が入ってたら大変なのに。

ああ。安心して普通の水だから。


「とりあえず君が聞きたがりそうなこと答えていくね。おれはアキ。お仕事は泥棒。ネズミ小僧アキって聞いたことない?なんか海軍からそんな風に名前つけられちゃってさあ。それでオペオペの実を泥棒しようとおもったんだけど、寝坊して出遅れちゃったら君しか盗めなかったんだよ。あれ、でも君は死にそうだったから拾いものかな。そうだひろいものだった。それでおれの隠れ家に持ってきて手当したんだ」


おれが一通り説明してみると何か言いたそうだったけど何も言わないで彼は理解したようでコクリと頷いた。
うん、賢い人で良かった。

前の拾いものなんて暴れて叫んで大変だったもの。だからいらないから捨てたけど。

「なにか聞きたいことほかにある?」

「子供を・・男で肌に白い斑のある、帽子をかぶった子供を見なかったか?」

「子供?子供はみたけどその条件の子は見てないなあ」

「そうか」

おれの答えに神妙そうな顔になった彼は、けれどすぐに顔を上げた。
おれの経験からああ、めんどうくさいこと言いそうだと思った。

「助けてくれてありがとう、アキ。それでおれはその子供を探しに行きたいんだが。できないか」



「だめだよ」


おれは首を傾げて答えた。
やっぱりめんどうくさいことだった。


「きみはおれが拾ったんだからおれのものだよ」

「おまえの・・・。」

「そうおれのもの。だからだめだよ。ちゃんとおれのものにならなくちゃ」

そうじゃなくちゃ助けた意味がなくなるじゃん。と言えば彼は絶望したように顔をさらに青くしたが、すぐにまっすぐとおれに懇願した。

「命を助けられたことは本当に感謝するが。どうしても会いたい子供がいるんだ。会ってその子供を安全な場所に送り届けたら何でもいうことを聞く。・・・奴隷でも構わねェ。だからお願いだ」



「だめだよ」

おれは一言そう言って、くるりと彼に背を向けおなかすいたでしょ食べ物持ってくるよといってチョロチョロとキッチンへ向かった。

彼がどんな表情をしているかなんて確認しなかったけど、おそらくおれが連れてきたひとたちと同じ顔をしているのだろうなと思った。


あーあ。彼は悪魔の実の能力者かな?
それならおとなしくさせるために盗んできた海桜石をはめればいいけど。違ったら面倒くさいな。

でもここから出ていったらおれが命を拾ったものはなんでかみんな死んじゃうからなあ。

別にどうでもいいけど、せっかく拾ったのに死んじゃったらもったいないもんね。
暴れたりひどいこと言ったりしない良い人っぽいし。

そんなことを考えて、でもキッチンにきたらそんなことを忘れて。
おれはご飯を作り始めた。



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ハトアリのねずみを参考







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