質問いいですか?
「船長、船長!」
ローが食堂で遅い朝食をとっていると、無駄に元気にこちらへやってきたのは古参のクルーであるアキであった。
「船長質問したいことがあるんですがしても大丈夫ですか?」
「構わねェが。なんの質問だ?」
「えっとですね三つ聞きたくて、まず船長って遊びに行くとしたらどこに行きたいですか?山とか海とか」
・・・これはなんのための質問だろうか。
ローは頭に浮かんだいくつもの推察にどうせくだらないことだろうという結論にいたり、答えることにした。
「静かな場所ならどこでもいい」
「静かな場所ですか。なるほど。それなら次になにかペットをつれていけるとしたら何がいいですか?」
「・・・」
聡いローはすぐにアキがやろうとしていることが心理テストだと悟ったが、なにも言わずにそのまま答えることにした。
「ペットじゃねェがベポだな」
ローは一瞬だけ浮かんだ目の前の顔を消して答えた。
さて、どのような心理を探るものなのかとローは次の質問を待っていると、アキは突然顔を手でおおい叫んだ。
「ガッデム!!!!」
そんな自分のクルーにローは少しだけ目を見開くと、アキは今度はローの横のテーブルに倒れ込むように顔を伏せて拳を作りテーブルをたたき始めた。
「ひどいです、船長。なんでベポを選んでおれを選んでくれないんですか。かわいくないからですか。体毛がベポほどないないからですか?おれのほうが船長大好きなのに。もうおれの体の99.9%は船長への愛でできているのに。ちなみに残りの0.1%は水分とか内蔵とかですけど。うわああん」
そう一気に言って泣き始めたアキをローは無表情に見下ろした。
アキはこの船の古参であるだけあって一番にローを慕っていることは間違いのないほどローのみに好意を向ける。
普段はここまでうざくはないが、なにがきっかけなのか突然スイッチが入るとこうやってローへの好意を饒舌に語るのを別にローも嫌いではないと思っている。
だが、だいたいローとしてもペットと言うから人以外のものを選んだのに答えたら泣き叫ばれたのだ。理不尽以外のなにものでもない。
「人間も含めるという条件なら、アキを連れていってやる」
それでもテーブルに顔を埋めているため近くにあるアキの頭をなでてそう言えば、ロー船長ぅぅぅ、大好きですぅぅぅと小さなうめき声が聞こえた。
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心理テストしようとしたけどベポを選ばれて悲しくなった主。
きっとこの夢主はゾウに行く途中バルトロメオと船長愛について熱く語る(お互いの話は聞いていない)