商人の憂鬱2

晴れのち子供。

いったい今日はどんな天気だと思いながらもドフラミンゴのところへ向かう道すがらの瓦礫の上で、おれは降ってきた帽子をかぶった子供を受け止めた。

受け止めてすぐに子供が降ってきた先にある高台をみれば、ド派手なメイクをした依頼主の弟がこちらを睨むように見下ろしてきていた。
ので、おれは営業スマイルをつくって微笑む。

内心ではてめっ危ねェじゃねえかこのやろう!!だけどな。
おれはまあ、悪い海賊商人ではあるけど小さい子供は助けるよ。おれに損がない場合に限るけど。
人間は基本嫌いだから人身売買はおれの管轄外だし。

まさか受け止められると思っていなかったであろう子供はポカーンをおれを見上げていたが、すぐに抱きしめられていることに気がついて「はなせ!!」っと暴れ始めた。
だからおれは羽交い締めにしてはなさない。

いや、ただなんとなく言うこと聞くのがしゃくだったからだけど。

それにしてもこの斑。これはフレバンスか?
珍しい。
最近起きた惨劇は情報として知っていたが、まさか生き残りがいるとは。

子供はまるで威嚇する子猫のようにひっかいたりつねったりあの手この手でおれの手からのがれようとするが、おれは気にしないで子供の帽子の上から頭を撫でてやった。
こんな子供の攻撃・・・痛いには痛いが痛くもかゆくもない顔をしてやる。このやろう。

「子供、おまえもドンキホーテファミリーの一員か?おれはドフラミンゴに商売で会いに来たんだが。あいつはいる・・・・いや、大丈夫だわ」

おれは後ろへ向いてから、子供を降ろしてまた振り返りながら腰に差していた刀を抜いてやってきた蹴りから身を守った。その間の時間は一秒にも満たない。

「よう、いきなり攻撃してくるなんてどんな挨拶だよ。ドフラミンゴ!!」

「久しぶりじゃねェかアキ。会いたかったぜ?」

すごい勢いでこちらへ来る気配は感じていたけれど、改めてその姿を見ておれは舌打ちをこぼした。
会って早々喧嘩を仕掛けてくるとはいい挨拶だ。

しかもこの場合、ドフラミンゴが久しぶりというのはイコールおれが来るのが遅かったということだろう。

「てめえ、これでも急いだんだぞ。おれ以上にあれを早く用意できる輩なんていねェよ!しかもその途中で呼び出しやがって。合わせる為に思った以上に仕入れに費用が掛かったから水増ししとくぞ」

「構わねェよ。言い値を払ってやる」

「そんなおまえが大好きだぜ!ドフラミンゴ」

「フッフッフ!」

言い値で良いと言われておれは不機嫌だったのが一気に上向いたので軽口を言えば、フフフ!とドフラミンゴも上機嫌そうに糸をはなってきた。

それでもやっぱり攻撃してくるドフラミンゴにさっさと次の依頼を聞きたかったおれは内心ため息をついた。







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