ラッキースケベ(よみねずみ)
(コラソン視点)
おれが家の外に出るようになってまだ日も経っていない日。
外を1人散歩してからアキの家へと戻ってきてすぐに、家の入り口でおれは何もないところでドジってコケた。
それはまあ、いつものことだが。その日は運悪く目の前にアキがいたので前へ彼を押しつぶして倒れてしまい、「わあ!?」とアキの悲鳴が上がる。
まだ下が毛の長いカーペットであっただけ幸いだったが、アキはねずみ人間のため彼の体はおれよりよほど小さいので重いだろうとおれは謝りながら慌てて体を起こそうとした。
が、その前に俺の背中にまわされた手によりおれは再びアキを押しつぶした。
「アキ!?」
「わーい!!コラソンだっ」
押しつぶしているにも関わらずアキはおれを抱きしめうれしそうに声を上げるとおれの腹にシャツごしに頭をぐりぐりと埋め始めた。
くすぐったいが、それどころではない。
「おい、重いだろ。アキが手をどけねェと起きあがれねェ」
「コラソン、コラソンっ」
「こら、話を聞け!」
注意するがアキは話を聞かずに楽しそうに抱きついてくる。
離れようとしないアキにおれは息を吐き、なるべくアキが重くならないように体勢を変えることにした。
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ラッキースケベ、よみねずみの場合
どっちがラッキーかわからない