ラッキースケベ(ペンギン)

ある日の放課後忘れ物を取りに行くとだれもいないと思っていた教室にはペンギンが女の子を床に押し倒していた。

扉をガラガラと音を立てて開けたので、おれが来たことに気がついたペンギンと女の子はぎょっとした顔でおれを見上げた。

そんな二人の様子におれは忘れ物を諦めることにした。

「場所、考えろよ」

そう一言残して扉を閉めて、おれは一息吐いてからダッシュで家に帰った。

そら女の子の方がいいよな、うん。
一応おれとペンギンはおつきあいしていた訳だけどまあ、仕方ないか。
おれは嫉妬心に押しつぶされそうになる心を落ち着かせるために自分に言い聞かせた。


んで、その日の夜。
ペンギンはおれの家に現れた。

めっちゃ泣きながら。

違うんだ、あれは倒れそうになったあの子を支えようとして足を滑らせて押し倒してしまったんだ。おれはおまえしか好きじゃない。
あの子のことはクラスメイトということ以外何とも思っていない。・・・などなど。

謝罪を言いながらもおれにすがりつきペンギンは嫌いにならないでくれと懇願する。

可哀想なくらい嗚咽をあげるペンギンをなぐさめてあげたい気もしたけど。
せっかくなのでしばらくそんなペンギンを見ていようと思ったおれは思っていたより酷い男だった。

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ラッキースケベ、ペンギンの場合
運悪そう







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