春眠暁を覚えずss

(ドフラミンゴ視点)

「若様ーいますか?」


暖かな陽気に誘われ自室のソファでうたた寝をしていると、そんな声とともに鍵のかかっていない扉がガチャリと開いた。
返事がないのに勝手に入ってくるバカはハルだけだ。

こいつはなんどクラディウスから注意されても直らなかった。

誰も入れたくない時は鍵をしているが、こんなことをおれが許しているのはハルだけだということをこの馬鹿はまったく気がつかないでいる。


「あれ?若様寝ている」


ハルは小声でそうつぶやくと部屋の鍵を閉め、おれのそばまで歩み寄ってきて。
近くにあった薄いふとんをおれに掛ける。

それからすぐにテーブルごしに向かいにあるソファのスプリンクがきしむ音がした。
おそらくハルが腰をかけたのだろう。

続いてあくびが聞こえてきたのでこいつはまた人の部屋で寝るつもりだなと確信した。
前も待たせているときにハルはソファで眠っていた。
仕事はどうした、一応おまえは女だろうが、結局何をしに来やがったと頭に浮かぶがそれを口に出すのがおっくうで。
おれは瞼を開きもうすでに眠っていたハルを抱き上げると奥の部屋にあるベッドへと移動してハルを抱き枕に再び惰眠を貪った。

子供のように温かい体温と動く心臓の鼓動が心地いい。

起きたらこいつはどんな顔をみせるだろうか。








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