本日この時間に脱走を試みることにしてみる
そーっと階段を降りてリビングを覗いてみれば、ぐっすり睡眠中のあの人。
よっしゃあ!
内心ガッツポーズをしつつ、物音を立てぬよう二階に戻る。
いつものように窓を開けて彼を待っていた。
……あっ、来た。
キキーッとチャリのブレーキを踏んで私にいつものように手を振る彼。
私は手を前に押すような動作をして、口パクで「待ってて」と合図する。
彼は不思議そうな顔をしつつも軽く頷いた。
私は急いで、かつ静かに階段を下り、玄関の戸を開けて、
………そのままもうダッシュ!
彼は後ろから走ってくる私を見て驚いていた。
私は彼のチャリの後ろに乗った。
「チャリ漕いで!!」
「え?!」
「いいから早く!!」
彼は訳もわからない顔をしたが彼は言うことを聴いてくれてチャリを漕ぎ出した。
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