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猫と王様
*Cat Ear Partyの続きです。
あちらを読まなくても大丈夫だと
思います…多分(^^;
悪夢の猫耳パーティーから
一夜明けて――――。
「にゃーーーっっっん!!」
猫の悲痛の鳴き声が響いた。
金色の瞳に、ふわふわとした綺麗なエメラルド色の毛並み。耳の先と尻尾の先、そして靴下を履いたように四本の足先だけが白い。
そのとても可愛らしい猫が、まわりにいる人間たちに訴えるように鳴いていた。
「にゃ、にゃあにゃあにゃーにゃあっ!」
(なんで、俺だけ元に戻らないのっ!)
「元々、お前は猫だからな。多分、酒が効き過ぎたんだろ」
猫の言葉が判っているわけではないが帽子屋はそう答えた。
「にゃにゃあにゃーあ、にゃん、にゃにゃあ〜〜!」
(帽子屋があんなのを持ってくるのがいけないんだろ〜〜!)
そう、この猫は『幻のまたたび酒』を飲んでしまったチェシャ猫の姿。
『幻のまたたび酒』とは、名前の通り入手困難な幻のお酒で、人が飲むと猫耳と尻尾が生えてくる代物。しかし元々が猫で、初めから猫耳と尻尾があったチェシャ猫は、なぜか普通の猫、いや昔の猫の姿になってしまった。
しかも真琴たちは一晩たったら元に戻ったのに、チェシャ猫だけは人間の姿に戻らずに、こんな騒ぎになってしまったのである。
そんなこんなで、帽子屋のせいだと決め付けて、今にも飛び掛かからんとするチェシャ猫だった。
そこへ真琴が宥めようと、チェシャ猫を抱き上げ、優しく頭を撫でてやる。
「………まぁ、チェシャ猫落ち着けよ」
「にゃぁあん……」
(真琴ちゃん……)
チェシャ猫が真琴の腕の中で大人しくなると、白うさぎが覗き込んでチェシャ猫の頭を大きな手でわしゃわしゃと撫でてくる。
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