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ダンデライオン
良く言えば天真爛漫、悪く言えば傍若無人、猪突猛進。
アリスを表現する言葉には事欠かない。
怖いもの知らずで何事にも飛び込んでいくから、見ているこっちがひやりとさせられる。
だから黙っていられないのだ。
仲間が、大切な人が危険に晒されるのは
放っておけない――――。
「だっーー!だから、なんでお前は、考え無しに飛び込んで行くんだっ!!」
「考え無しじゃないわよ!あそこで私が、モンスターにとどめを刺したからあの程度で済んだのよ!」
「それは結果論だろーがっ!」
白うさぎとアリスの侃々諤々(かんかんがくがく)の言い争い。
だんだん日常と化してきた光景に他の仲間たちは、またかと思う。
「ったく!ホントに真琴とアリス、中身入れ替わってんのか?真琴のほうがよっぽど、女らし………っ!」
途中まで言って、しまったと、白うさぎは失言に気付く。
だが、もうすでに時は遅し。
アリスは耳まで顔を真っ赤にし、ぐっと唇を噛み締めている。
怒りが爆発する寸前だ。
「……どうせ……どうせ中身も女の子らしくないわよっ!バカっっ!サイテっっっーーー!!オッサンうさぎのアホっっっーーーー!!」
「オ、オッサンうさぎぃ?!」
アリスは捨て台詞を思いっ切り、白うさぎに投げ付け、部屋から勢いよく走り去ってしまった。
破壊力抜群の捨て台詞を受けた白うさぎは長い耳がうなだれ、ものの見事にがっくりと燃え尽きて、白うさぎならぬ、灰色うさぎになっていた。
「白うさぎ、撃沈〜〜〜。」
完璧に他人事なチェシャ猫。
「今のは白うさぎが悪いな」
冷静に判断を下すダム。
「女心を判ってないな、うさぎちゃん」
帽子屋はらしい言葉を吐き、
「ぷっ、オッサンうさぎ!アリス上手い」
やまねは更に追い打ちをかけ、誰も白うさぎをフォローしてくれない。
「おーい、白うさぎ。……平気か?」
唯一、真琴だけが遠慮がちに白うさぎの肩を叩き、気遣うのだった。
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