「だけど、どうしたもんかなぁ……この姿じゃ、しゃべることもできねぇしな」

「でも、こちらの言葉は通じているようだ。それに何を云っているのかは態度を見ていれば、大体想像は付く」

白うさぎの言葉を受け、ダムが意見を云っていると、今度は横合いからやまねが白い目で、不機嫌そのものでつかかってくる。

「にゃあにゃあ、煩い。それに真琴の胸に抱かれているなんて目障りだよ」

「シャーァッ!にゃあ、にゃああにゃにゃあにゃあんっ!にゃあにゃああんにゃーにゃあんっ!」
(うるさいっ!俺だって、好きで鳴いているワケじゃないっ!それに俺は抱きしめる方が好きなのっ!)

真琴の腕の中から、必死になってやまねに猫パンチを繰り出すが、その姿さえ可愛い。

そんな自分の不甲斐なさに気付き、またチェシャ猫はしゅんとする。

「にゃぁ〜ん!にゃあんっ!」
(うえ〜ん!真琴ちゃんっ!)

よしよしと真琴が慰めていると、最後にアリスがトドメを刺した。

「チェシャ猫、そんなに落ち込むことないわよ!すっごく可愛いから人間に戻れなくてもOKよ♪」

「にゃっにゃあにゃあぁぁぁーー!」
(そんなフォローいらないっっーー!)

また猫の鳴き声が響き渡るのだった。




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