離さないで 2/5






「識桜さん 今日の体調はどうですか?」

『今日は特に問題はないですよ』

なら良かったと言いながら点滴の袋を変える看護士さん
そしてここはイタリアにあるボンゴレ配属の病院の個室
そこに私は居た

1年前 私はヴァリアーの幹部として任務を遂行していた
任務もSランクの難しい任務をこなしてきた
だがある日 体の体調が戻らなくなった
疲れがたまっただけだろうと思っていたが体に痛みが走る様になった
だがその痛みも軽かったものが激しい痛みへと変わっていった
その状況を仲間に伝えず そのままの状態でSランクの任務を請けた
しかし体は思う様に動かず 隙をつかれ重傷を負ってしまった

その時に今の病院で手術を受けた
幸い命は助かったがその反面 知りたくない事実が待っていた

「…残念ですが識桜様は重い病気になられております
それもガンでございます」

がん宣告
仲間の皆は何故とか治らないのかとか言っていたけど その時の私は何も考える事が出来なくなった










ガンと言われてから余命宣告の1年が経とうとしている
たまに激しい痛みもあるが緩和する薬を飲んでいるため激しい痛みは時々しかない
幸い髪はまだ抜けていないため あの人が撫でてくれる私の髪は健在している

そろそろあの人が来る頃だろうと思って病室の扉を見れば

コンコン

ノックの音がする
私は人物が誰なのかを知っている為 どうぞと中に入れた










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