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『アイリス!どうしたらいいの?!』

「そこにホットケーキミックスを入れるのよ」

ただいまアイリスに教えてもらいながらマフィンを作っています
そもそも料理も出来ない私がどうしてお菓子を作っているのか
いろいろ事情はあるんだけど それは今日がバレンタインデーだから!

「シャーリー 手を動かしなさい」

『動かしてるから!』

付き合う前は市販のお菓子だったりを渡していたが付き合ってからは一度も渡していない
何より付き合ってから初めてのバレンタインだったりする
何故マフィンなのか
それはアルにバレない様に探りを入れて聞いたらマフィンが食べたいという事だったから

「それじゃあカップに淹れていくわよ」

アイリスの言葉に意気込みながらマフィンカップに生地を淹れていった
上手くいくといいんだけど










「ふぅ…」

丁度訓練が終わり 訓練用パイロットスーツを脱ぐ
そして時計を見ればシャーリーとの待ち合わせまで後1時間はある

「アルト シャーリー嬢からもらったのか?」

シャワー室に向かう俺の隣でにやにやと笑いながら言うミシェルにこれからだと言えば お熱い事だと言われた

「別に熱くねーし 初めてのバレンタインだしな」

「初めてなのか!?」

かなり驚いたミシェルにあぁと答えた
今までにもらった事はあるが付き合ってからは一度も無い
会えなかった事があるからな

「じゃあ付き合う前も手作りで貰ってたんじゃないのか?」

「いや、全部市販だ」

でも事情は知っている
シャーリーが言わなくてもわかっていた
あいつは教わる人が今まで居なかった
両親もパイロットで家に居なかったし アイリスも仕事でシャーリーに付きっきりは出来なかった
そんな事情も全てわかっていた
例え手作りじゃなくてもシャーリーから貰えたら何でも嬉しい

「アルトは本当にシャーリー嬢が好きだな」

「…うるせぇ」

そう言ってからすぐにシャワー室に着き それぞれ個室に入ってシャワーを浴びた








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