1 / 2
ここは何処だろう…
目を開けると周りは暗闇しかない
周りを見ていると誰かの後ろ姿が見えた
あの後ろ姿はアルと…、アイリス…?
私は2人を追いかけて走り出した
でもどれだけ追いかけても追いかけても2人から遠ざかっている
((アル…!アイリス…!))
名前を呼ぼうにも声が出ない
心の中で何度も何度も叫んだ
((行かないで…!))
「――!……シャーリー!」
私を呼ぶ誰かの声が聞こえて目を覚ました
1番最初に目に入ったのは心配そうに私の頬を撫でるアルだった
それからゆっくり周りを見渡してまたアルを見た
「うなされてたぞ?…大丈夫か…?」
『うん……、平気だよ』
私はアルに支えてもらいながらゆっくりと起き上がる
ここは私が泊まっているホテルの部屋の大きなソファーに寝ていたみたい
私の上には毛布がかかっているから、誰かがかけてくれたのだろう
ソファーに腰かける私を心配そうに、 まるで壊れ物を扱うように抱き締めてくれる彼が凄く嬉しかったし心配をかけてしまったと思った
『…アル』
呼んでも返事が返って来ない
彼が何かを考えている時は黙ってしまう事が多い
また何かを考えているんだね?
アルがそんなに考える事なんてないのに
シャーリーはいつもそうだ
さっき寝てた時だって涙を流しながら俺とアイリスの名前を呼んでたのに
平気な訳ないのに平気な様に振る舞うシャーリーに俺は何もできないのかと、ただただシャーリーを離さない様に抱きしめた
俺にはシャーリーを守る事が出来ないのかと
『……アルが側に居てくれて良かった…』
「…!」
シャーリーの言葉に俺は少し離してシャーリーを見た
そこには心から安心した様なシャーリーの姿があった
『だから…アルが辛そうな顔しないで?
昨日、アルが言ってくれたみたいに何かあったらアルとアイリスに言うから』
だから温かいミルクティーを入れてくれると嬉しいなって甘えるシャーリーに微笑んで 俺はシャーリーの額にキスした
「すぐに淹れてくるから待ってろ」
そう言って部屋に備え付けられている台所に向かった
ミルクティーが好きなのは今も変わらないんだな
お湯を沸かしている間に準備をしていく
たまにシャーリーの方を見ると欠伸をしながら伸びをしている姿が見えて とりあえず安心した
『ねぇアル、…私 いつ着替えたの?』
ミルクティーをシャーリーの元に持って行き、隣に座った途端に聞かれた
「あぁ…その…俺だ…」
少し目を逸らしながら言った途端、恥ずかしいのか毛布で赤くなった顔を隠すシャーリーの反応に俺まで赤くなる
「わっ悪かった!
アイリスに着替えさせろって言われて…!
べっ別に変なことはしてねぇからな…」
最初はでかかった声も段々小さくなるのが自分でわかり 赤い顔を見られないように俯いた
『あ…ありがとう』
その言葉が聞こえてシャーリーを見れば頬を赤らめているのが見えて俺達は少しの間 頬を赤らめていた
その後シャーリーは仕事の、俺は学校の用意をして2人で部屋を出た
← →